衛星降水データによって、世界の台風や豪雨等の自然災害を低減する

世界の台風や豪雨による洪水被害が増加

世界では、例年、台風や大雨等自然災害により多くの被害が発生しています。特に、地上雨量データがない国・地域や、地上の気象レーダーによる観測が難しい山間部や海上における降水分布の状況把握の改善は、各国の気象機関において大きな課題となっています。
1991年以降30年間に発生した自然災害の平均件数は、1位が洪水(142件)、2位が豪雨(98件)です。また、2021年には222件の洪水、119件の豪雨被害が世界各地で発生しました。

地上からの観測が難しい地域でも、降水観測を可能に。

JAXAは、日本、米国、欧州の気象衛星のデータを統合し、1時間毎の世界の降水データを提供する「衛星全球降水マップ(GSMaP)」を公開しています。GSMaPは、地上の雨量計や気象レーダによる観測が難しい地域や、海上の降水分布の状況把握の改善といった課題を抱える気象機関や防災機関において利用されており、利用ユーザは、世界約140か国に広がっています。さらに、この衛星降水データによって国際河川等で観測情報が入手できない上流域の降水量を把握し、地上データも活用することで、数日前に下流地域の洪水を予測する取組を進めています。

GSMaP
GSMaP

この取り組みを通じて貢献可能なSDGsの目標

  • GSMaPやToday's Earth等を用いた降水情報の迅速な提供や水循環のシミュレーションや予測をすることにより、洪水予測の精度向上等、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力の強化に貢献する。また、長期にわたって蓄積されているGSMaPや降水データセットとの比較によって、気象の変化による気象関連災害等のリスクを先見し、被害の提言を減らして行くことに貢献する。
この記事をシェアする
関連記事